「それは俺たちのだ!」 緑のメッシュが入った茶髪の男も、金髪の男に続いて郁人くんの持っている麻薬を奪い返そうとした。 しかし、それも郁人くんはいとも簡単に避けてしまう。 相手を傷つけずに、ただひたすら避ける。 そして相手の体力を奪っているんだ。 「取り引きの邪魔だ。さっさと失せろ」 黒のスーツの男が、郁人くんを睨む。 郁人くんは怯えるどころか、逆に男を睨み返した。 「お前が失せろ」 郁人くんの地を這うような声に、男は一瞬目を見開く。