「じゃあ僕は、行くよ」 「頑張ってね」 「ありがとう。じゃあ、行ってきます」 「いってらっしゃい」 私の言葉を聞いた博は、私に背を向けて、空港へ向かった。 私の嘘で塗り固められた笑顔が、博が見えなくなると同時にボロボロと崩れた。 私も、頑張らなきゃ。 緊張がほぐれない中、私は洋館の重い扉をゆっくりと開けた。 「あ、あの~……」 そう言いながら、私は中へと入る。 ――バタン ゆっくりと閉まった扉の音に、思わずビクッと肩を上げてしまう。