獣★愛~最強ケダモノ男子の溺愛姫~






郁人くんは路地に入る前に、私にそう言った。


その時の郁人くんの表情には、可愛らしさなんてかけらもなく、ドキッとさせられた。





初めて見た郁人くんの姿に、私はドギマギしながら頷く。







そして、二人組の男を追って、裏路地へと向かった。







私と郁人くんは裏路地の一歩手前で足を止め、様子を伺う。





「――例のアレ、ください」



聞こえてきたのは、二人組の男の片方の声。

多分……道を間違えた、金髪のほうだ。






「金出しな」






……この声は、二人組の男のどちらでもない。


ということは、もうひとりいるってことか。





低い声に、嫌な感じがする。