いや、もしかしたら、 私自身、踏み込むことに躊躇しているのかもしれない。 「――ここか?」 「違ぇよ。もう一つ先の路地だっつの」 私と郁人くんがいる路地に入ろうとした、二人組の男の一人。 しかし、もうひとりの男が、「違う」と言って、こっちに来ようとした男を止める。 金髪と緑のメッシュが入った茶髪。 そんな見た目で覚えた、二人組の男。 「ごめん、雫ちゃん。 パトロール、続行でもいい?」 猫のように何かを捉えた真っ直ぐな郁人くんの瞳に、私は見慣れていないせいか戸惑った。