チリン、と鈴を鳴らしながら、一匹の黒猫が私の足元を通る。 夜が好きそうな、黒猫。 私の勝手なイメージ。 もしかして…… 郁人くんは、夜が嫌いなのかな……? それは、あくまで私の憶測。 だけど、郁人くんに辛そうな表情をさせた言葉は、さっきした質問しか思い当たらない。 黒猫とは正反対の、郁人くん。 けれど私はやっぱり、郁人くんは猫みたいだと思った。 信じた人に甘え、弱さを見せて、 信じていない人には強がる。 そんなイメージのある猫。 私はまだ、完全には信じられていないのかもしれないな。