獣★愛~最強ケダモノ男子の溺愛姫~






そう思っているけれど、私は気になって振り返った。



人が多すぎて、さっき私とすれ違った人なんて見えなくて。


私は目を伏せて、前を向く。






やっぱり違ったんだよ。


博と似ている匂いだっただけ。





もしかしたら、博と会っていない寂しさが私に見せた幻だったのかも。







「雫ちゃん?」



「な、なに?」




ボーッとしすぎて、歩くペースが遅くなってしまった私を不思議に思ったのか、郁人くんが顔を私に向けて、声をかけた。






「大丈夫?」





私、そんなに寂しそうだったかな?


大丈夫?、って聞かれるほど、辛そうだったのかな?




ダメじゃん私。心配かけちゃってさ。