なぜか耳が赤い郁人くん。 人が多すぎて、熱くなっちゃったのかな? 「可愛すぎだよ、雫ちゃん」 小さく呟いた郁人くんの声は、私の耳には届くこともなく消えていった。 繁華街をキョロキョロ、怪しげに見られない程度に見ながら歩く郁人くん。 なんか、郁人くん……猫みたい。 自由気ままで、自信に満ちていて、けれど周りを伺っていて、変化に敏感。 そして、今朝のように、たまに積極的になる。 そんな……可愛い猫みたいだ。 小悪魔な性格を内側に秘め、獣のような強さを持つ、猫だ。