言えない? 言わない、じゃなくて? どうやらやはり、後ろにいる男はさっきまで話していた人だ。 この男の言葉は、いつも意味深で、私たちの心に疑問を抱かせる。 「どういうことだ?」 「まだ、始まったばかりだからな」 「何が?」 「全てが」 具体的には答えてくれないこの男に、藍島さんは目を細めて睨む。 けれど男は、どこか余裕で。 マスクの下から、小さな笑い声が聞こえた。 始まったばかりって、どういうことなのだろうか。