慣れない下駄で走るのは困難で。
「ちょ、ちょっと待って!」
彼の響く声と同時に腕を掴まれた。
「………」
「………」
沈黙をやぶるのはいつも彼。
「逃げないでよ…」
「…ご、ごめん」
話がしたかったんだ、ずっと。
そう言って私の腕を離した彼の顔を直視することが出来なかった。
「き、気まずいかな、と思って…
最後、あんな風に終わったから…だから…」
私の口から発する言葉は虚しく宙を舞う。
夏の空気が息苦しい。
だからなんだと言うのか。
気まずいのは彼ではなく、私の方なのに。
「気まずい?…気まずくなんかないよ」
彼はいつも優しい声で私に話しかける。
ーー…彼を見た。
切ない顔をしていた。
「俺のことウザい?」
首を横に振ることしかできない。
「俺のこと、嫌い?」
また、首を横に振る。
嫌いなんかじゃない。
彼は優しかった。
たった数日のメールのやり取りだけど。
ミツルの家に行く時に夜道は危ないと迎えに来てくれた。
帰り道はこんな私を追いかけてくれた。
ーー…『俺、振られるんだよね?』
私から言わせないように彼から言った言葉。
最大の優しさ。
「ちょ、ちょっと待って!」
彼の響く声と同時に腕を掴まれた。
「………」
「………」
沈黙をやぶるのはいつも彼。
「逃げないでよ…」
「…ご、ごめん」
話がしたかったんだ、ずっと。
そう言って私の腕を離した彼の顔を直視することが出来なかった。
「き、気まずいかな、と思って…
最後、あんな風に終わったから…だから…」
私の口から発する言葉は虚しく宙を舞う。
夏の空気が息苦しい。
だからなんだと言うのか。
気まずいのは彼ではなく、私の方なのに。
「気まずい?…気まずくなんかないよ」
彼はいつも優しい声で私に話しかける。
ーー…彼を見た。
切ない顔をしていた。
「俺のことウザい?」
首を横に振ることしかできない。
「俺のこと、嫌い?」
また、首を横に振る。
嫌いなんかじゃない。
彼は優しかった。
たった数日のメールのやり取りだけど。
ミツルの家に行く時に夜道は危ないと迎えに来てくれた。
帰り道はこんな私を追いかけてくれた。
ーー…『俺、振られるんだよね?』
私から言わせないように彼から言った言葉。
最大の優しさ。


