歩き出すと、私の隣は自然と唯斗になる。奈那と玲央は、高2の時から付き合っている。だから、私と唯斗は、いつも隣になる。
「それにしても、本当に久しぶりだな、瑛美。」
「そうだね。私だけ、大学違うしね。」
「半年見ないうちに、随分大人っぽくなったんじゃない?」
「そう?ありがとう。」
「ん。どういたしまして。」
私がお礼を言うと、唯斗はにこりとした。
あぁ、私は、ずっとこの笑顔が好きだった。どこか幼さの残る、この笑顔が。
「ねぇ、別行動してもいい?」
前を歩いていた奈那から声が掛かる。
私と唯斗は目を合わせる。
「私はいいよ。」
「俺も。」
「ありがとう!ほら、玲央!行こう!」
奈那は玲央の手を引っ張り、人混みの中に消えていった。
「俺たちも行くか?」
「そうだね。行こう?」
2人で肩を並べて歩き出す。
好きな人とこんなふうにして歩けるなんて、すごい幸せなことなのはわかってる。でも、もしも、“友達”という関係じゃなくて、“恋人”っていう関係だったらな…って。そうしたら、奈那たちのように、手を繋いで、歩けるのかなって。
「瑛美?」
唯斗に声をかけられ顔を上げると、私たちの間が離れていた。どうやら、考え事をしているうちに、足が止まってしまっていたらしい。
「大丈夫か?」
唯斗は私のところまで引き返して来て、心配そうに尋ねてきた。
「ごめん、考え事してた。大丈夫だよ!」
「そっか。人多いんだから、迷子になるなよ?」
「大丈夫だって!子供じゃないんだから。」
「心配だから、手、貸して?」
「ん?なんで手?」
不思議に思いながらも手を差し出すと、そこに唯斗の手が重なり、きゅっと握られる。
「ゆ、唯斗?」
自分の顔が紅くなっているのがわかる…。
「こうすれば、迷子にならないだろ?」
「…なんかムカつく…。」
私だけ意識しているみたいに唯斗が余裕な感じだから、ちょっとムカつく。
それでも、嬉しいと感じてしまうのは、この気持ちのせいなんだろうな…
「それにしても、本当に久しぶりだな、瑛美。」
「そうだね。私だけ、大学違うしね。」
「半年見ないうちに、随分大人っぽくなったんじゃない?」
「そう?ありがとう。」
「ん。どういたしまして。」
私がお礼を言うと、唯斗はにこりとした。
あぁ、私は、ずっとこの笑顔が好きだった。どこか幼さの残る、この笑顔が。
「ねぇ、別行動してもいい?」
前を歩いていた奈那から声が掛かる。
私と唯斗は目を合わせる。
「私はいいよ。」
「俺も。」
「ありがとう!ほら、玲央!行こう!」
奈那は玲央の手を引っ張り、人混みの中に消えていった。
「俺たちも行くか?」
「そうだね。行こう?」
2人で肩を並べて歩き出す。
好きな人とこんなふうにして歩けるなんて、すごい幸せなことなのはわかってる。でも、もしも、“友達”という関係じゃなくて、“恋人”っていう関係だったらな…って。そうしたら、奈那たちのように、手を繋いで、歩けるのかなって。
「瑛美?」
唯斗に声をかけられ顔を上げると、私たちの間が離れていた。どうやら、考え事をしているうちに、足が止まってしまっていたらしい。
「大丈夫か?」
唯斗は私のところまで引き返して来て、心配そうに尋ねてきた。
「ごめん、考え事してた。大丈夫だよ!」
「そっか。人多いんだから、迷子になるなよ?」
「大丈夫だって!子供じゃないんだから。」
「心配だから、手、貸して?」
「ん?なんで手?」
不思議に思いながらも手を差し出すと、そこに唯斗の手が重なり、きゅっと握られる。
「ゆ、唯斗?」
自分の顔が紅くなっているのがわかる…。
「こうすれば、迷子にならないだろ?」
「…なんかムカつく…。」
私だけ意識しているみたいに唯斗が余裕な感じだから、ちょっとムカつく。
それでも、嬉しいと感じてしまうのは、この気持ちのせいなんだろうな…