この恋心に嘘をつく


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入社して1週間は、観月が付きっきりで教えてくれた。

秘書として、最低限身に付けておくべきマナーや、心構えを一日中教え込まれた。


その1週間が過ぎると、ようやく次のステップに進むことができるようになった。


「これは、常務の1週間分のスケジュールよ。細かいスケジュールは、担当の秘書が管理してるわ」


渡してくれたのは、入社して4年目の梅原 満理。
着飾ることが好きでないらしく、いつも地味な色のスーツばかり着ている。


「基本的に、担当秘書はふたりよ。ひとりは、外回りに着いていったり、もうひとりは会社で書類作成をしていることが多いわ」

「じゃあ、専務にも?」


満理が首を降る。


「一時的に羽村が専務付きだけど、彼女は雑用しかしてない。専務は、誰も信用してないから」

「同じ会社なのに?」