この恋心に嘘をつく


名刺を取り出し、裏を見る。


「何を悩んでるんだろ、私…」


就職したい! って、ずっと叫んできた。

いくつもの会社に落ちて、いくつもの履歴書を新しく書き直してきた。

何度も袖を通したリクルートスーツは、就職したら仲間を増やそうと思っていたけど、まだ1着のまま。


なのに何故、自分は1歩を踏み出そうとしないのか。


「怪しいし、謎が多いし…」


そして、気づいた。

自分は、理由ばかりを探してる。

この話を受ける理由じゃなくて、受けないための理由を。


「……私って、面倒臭い奴なのね」


もっと、シンプルに考えればいいのに。

虎穴に入らずんば虎児を得ず、とも言うし。


「――決めた」


この決断が揺らがないうちに、行動を起こさないと。