この恋心に嘘をつく


「誰ですか? 私も知ってる人ですか?」

「…缶コーヒーの人」

「へぇ~、あの人ですかぁ」


話す相手、間違えたかもしれない。

優理子は絶対に、面白がってる。


「ゴミ捨て行ってくる。検品は私がするから、栄ドリの補充をお願い」

「は~い」


あの人は、本当に来るのだろうか?

来たとしたら、一体何の話をするつもりなのだろうか?


もういっそ、このまま帰ってしまいたい。

そしたらきっと、こんなにも悩まなくて済むから。





「…………」

「お疲れ様」


コンビニを出てすぐ視界に入ったのは、不釣り合いな高級車。

運転手は、ホットコーヒーのカップを手に微笑んでいる。


(ホントに来た…)


正直、半分以上は冗談だと思っていた。