この恋心に嘘をつく


「それについては問題ない。君は、病欠ということになってるから」

「病欠?」


つまり、辞めたのではなく休みを取っていたということだ。

それならば、出戻りとは言わない。


「どうして、病欠にしたんですか?」


連れ戻す気があったのだろうか?

いや、それならば辞めると言ったあの日に、呼び止めていたはずだ。

凛子は環の返答を待っていたが、いつまでも答えが返ってこない。


「専務?」


急かすつもりはないが、あまりにも反応が無さすぎる。

耐えかねて、環を呼んでみた。


「それは……俺にもわからない」

「……そう、ですか」


釈然としない答えだが、環自身も答えを見つけられないようだから、追及はしないでおこう。