この恋心に嘘をつく


悪いのは――自分だ。


「――午後からの予定をキャンセルしておいてください」


内線で秘書室へ告げると、すぐさま車のキーを探す。

思い立ったが吉日ともいうし、何事も行動しなければ始まらない。

専務室を足早に出ていく――手には大切なものを握り締めて。




*****


履歴書に不備がないか、最終確認。
自己アピールの項目もきちんと書いたし、誤字もないようだ。


「写真は…ないのか」


1枚くらい残っていたような気がしたのに。


「仕方ない。撮りに行かなきゃ」


となると、スーツを着なくては。

立ち上がり、着替えの準備を始める。


――ピーンポーン…