満理が差し出したのは、栄養ドリンク。
手にしてみれば、ひんやりと冷たい。
「これは?」
「専務は、こちらを愛飲していると聞きましたので」
そんなこと、誰にも言った覚えはない。
それに、愛飲している栄養ドリンクなんてあっただろうか?
「――安生さんから、そう聞きました。こちらのドリンクが、専務には合うのだとか」
「彼女が?」
そういえば、何度か頼んだことがあった。
メーカーも何も指定しなかったし、環自身、こだわりなんて無かったから。
「……」
「短い間ではありましたが、彼女は専属としての責務を全うしていた。私は、そう思います」
満理は頭を下げ、専務室を出ていく。
ドリンクを開け、一気に飲み干す。
「…ふぅ」



