この恋心に嘘をつく


「……はぁ」


最近、ため息が多い気がする。
理由がわかっているだけに、やるせない。

スマホの電話帳を開けば、つい環の番号を見てしまう。
あれ以来、連絡はない。


「新しい仕事、探さないと」


テーブルには、書きかけの履歴書がある。
もう何度も書いてきたから、お手の物だ。

けれど、迷っている項目がある。

それは、職歴の欄だ。


「半年も勤めてないわけだし、書かなくてもいいよね?」


大企業の秘書室に入社したのは、好印象を与えることができる。

でも、半年も経たずに退社してしまえば、本人、もしくは会社に問題があるように思われるかもしれない。

かといって、素直に退社の理由を書くつもりもない。

ここは、書かない方が賢明と言えるだろう。


「……本当に、私ってバカ」