それは、忘れろということ?
それとも、彼女を迎えに行けと?
「何事も、専務次第です。失礼します」
観月は専務室を出ていく。
ひとりになると、やけに静かに感じてしまう。
「……はぁ」
ファイルを閉じ、背もたれに体重を預ける。
視線を上げれば、天井が良く見えた。
新しい秘書を探せばいい。
けれど、そんな簡単な事ならば、わざわざ社外で探したりなんかしなかった。
「……少し、疲れた」
瞼を閉じて、肩から力を抜く。
自分は、どうしたいのだろうか――…?
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電話に気づいたのは、お風呂からあがってしばらく経ってから。
誰からだろうと見てみれば、母親からだった。



