この恋心に嘘をつく


今度は、従順で素直な子を見つければいい。


「安生――」

「すみません。――辞めます」


切るなら、早いうちがいい。

割り切ることができるなら、それに越したことはないのだろうけれど、凛子にはできそうにない。

他の人ならばできても、環相手には無理だ。

自分を必要としてくれた人だから。


「本気、なのか?」

「またフリーターに戻るのは嫌ですよ。当然じゃないですか」

「なら、このまま…」

「このまま秘書を続けても、空しくなるだけです」


信用してもらいたいのに、相手は背中を向けたまま、要求だけを突き付ける。

こんな関係不毛だし、崩れるときは一瞬だ。


「お世話になりました」


こんな結果、望んでなんていなかった。

環のために、自分にできる精一杯の事をするつもりだった。