この恋心に嘘をつく


お昼休みは、とっくに終わっている。

何と言って、環を納得させようか?

カフェオレの甘さで、頭を活性化させる。


(家族に近づくな、か…。いいお母さんに見えるけど)


子どもを3人生んでいるとは思えない。

背筋もピンと伸びていて、とても綺麗だ。


「今週末の食事会、貴女もどうかしら?」

「――お断りします」


答えたのは、凛子じゃない。

顔を上げれば、険しい目をした環が立っていた。


「あら…早かったのね」


郁子は驚く事もなく、冷静に紅茶を口にする。

はじめから、来ることが分かっていたような態度だ。


「何のつもりですか、これは」

「話をしていただけです。座ったらどうです?」

「結構です」