この恋心に嘘をつく


そういうものだろうか?

羽村は真剣な様子だし、出来れば聞いてあげたい願いだ。


「どうして専務なんですか?」

「社長は絶対に無理よ。観月女史ひとりで、私達の何倍もの仕事ができる。副社長は、既にふたり居るし…」


羽村は盛大なため息をつく。


「やっぱり、誰かの専属になりたい、って思うもの」

「……」


見た目とは裏腹に、羽村は向上心があるようだ。
凛子はその様子に、断る理由を見つけられないでいた。


「…聞くだけ、聞いてみます」

「本当に? ありがとう! 実はね、両親に自慢しちゃったの。専務付きになった、って」


凛子が来た当初、羽村は一時的に専務付きだったのだ。
そのときの事だろう。


「あまり、期待しないでくださいね?」

「わかってる。でも、本当にありがとう」