この恋心に嘘をつく


言いにくい事なのだろうか?

凛子は不安になってきた。


「こんなこと言うの厚かましいって分かってるんだけど…」

「はい」

「私を、専務付きに推してほしいの!」

「……え?」


予想外の言葉に、瞠目してしまった。

羽村は瞬きさえもしないで、凛子をジッと見つめている。


「ど、どうして私に? 直接、専務に頼んだらどうでしょう? それか、室長とか…」


入社して日も浅い凛子が、古参の秘書を推挙するなんて。

その方が厚かましい。


「室長は、専務達の意思を尊重するから。でも、専務はあの通り人を寄せ付けない」


優しいから、勘違いしてしまう者も多い。
けれど、環を知れば知るほど、彼に近づくことは難しいと気づく。


「安生さんの口添えがあれば、専務も少しは私に興味を持つかもしれないでしょ?」