「玲花って慎司と付き合いだして変わったよな」



今まさに自分が思っていたことを言われ、私はお弁当のウインナーを口に頬張ったまま話しにくいついた。



「私変わった? どこが?」



周りから見ると、私はどんな風に映っているんだろう。


今にも飛び付きそうな勢いの私に、智輝は話しを続ける。



「恋愛なんてまったく興味なかったのに、今じゃすっかり慎司に染まって……。ま、綺麗になったし、女らしくなったよな」


「あ〜っ分かる! 玲花ってがさつだったもんね」



……千理、本当のことだとしても、あんたいくらなんでも『がさつ』はないでしょ。



「ほら、今も口いっぱいに頬張ってるし! あたしはそんなマネできな〜い」



カッチーン。


甘えた声出して、見下すような喋り方。


私こそ、そういうとこ真似できないよ。


……なんて口に出すのも面倒だから言わないけど。



千理は慎司の中学からの友達らしくて、気づけば一緒につるんでいたんだけど。


はっきり言ってこの中で一番気が合わなかったりする。



「千理、言いすぎ」


「ごめんなさ〜い」



智輝は冗談っぽく千理を怒って、私たちの関係を上手く保ってくれる。


まぁ……

何だかんだ言って、みんなといる時間は楽しくてあっと言う間に過ぎちゃうんだけどね。