「はぁ……。もういい、ありがとう。 怜の席は窓側の一番後ろだ」 「……ん」 短く返事し、指定された席へと足を進める。 席へと向かう途中、左右からいろんな声が。 「なにあの女、感じ悪い」 「てかあの怖い仲先とタメ口で話してたぞ」 「何者?」 「なーなー、マスク外せよー」 ……何この統一感のなさ。笑える。 心の中で静かに笑いながら席に着く。