「そろそろ殺しても良いですか?」


「····嫌だ、死にたくない。」


「死にたくない事は分かってますよ。ですが、多分、これも運命だったと思うんで。」


「嫌だ···。」



「さようなら。」


強く掴んだ男の手首に、包丁を突き立てた。

まだ、刺してはいない。



「待てよ········。」


「何ですか?遺言ぐらいは聞いてあげましょうか。」


「何で、お前は、そんな、人殺しなんて·········するんだよ····。」



「来世で考えてみて下さい。さようなら。」



そして、男の手首を掻っ切った。


「綺麗な姿で殺してあげました·······。」