そして嵐たちは用意をして駅で電車に乗り、競輪場まで行く。

嵐達が住んでいる明神町から電車で20分である。


ちなみに明神町(あけがみちょう)は和の国ヤマトで最も経済的に潤っている町だ。


首都では無いがこの町は他国から来る人が多く、毎日巨額の富が動く町と言われているみたいだ。



嵐達は電車の席に座り窓の外を見る。

「てかさ、澪は浴衣以外に服はないのか?」


窓の外を観ていて「ぼへー」と気の緩んだ顔になっていた澪は少し驚く。

「え?浴衣じゃダメなの?外に沢山浴衣の娘いるじゃん。」


確かに和の国なだけあって普段着が浴衣な娘も結構いるが、前の世界じゃ祭りの日くらいしか見ること無いから嵐は落ち着かないのだ。


「すまない。なんでもない。」

周りの人も浴衣着ているんだ。これ以上何を言っても意味がないだろうな。

そう思った嵐はこの話をやめる。


「ところで競輪の賭け方に色々種類あるのは知っているか?」


澪を目を閉じて思い出す。

「うー、三連単なら聞いたことはあります。でもそれ以外はちょっと分からないです。」



「よし、分かった。じゃあ競輪場に着くまでの間に教えておこうか。」