「芹沢颯太くんには気を付けろ」 私の目を真っ直ぐと見てマスターはそう言った。 「え、なんで…」 その言葉の意味も分からず私は首を傾げる。 「今はわからなくていいんだ。いやずっとわからない方がいい。だけど何かあったときは思い出しなさい。気を付けろといった言葉を」 「…わかりました」 マスターはそれだけ言うと私に笑顔を向けてくれた。