あれからぱぱは無言で立ち去って行った。
どうしてここの高校にいたのか、そんなこと聞けやしなかった。
今私の頭にあるのは、颯太くんがいなくなってしまったこと。
ただそれだけだった。
「楓…」
ずっと傍にいてくれた陸の前で、私はボロボロと涙を流した。
「陸は…っ知ってたの…っ?」
背中をさすってくれている陸に聞く。
「…お前が付き合い始めた頃、かな。屋上で太陽と颯太がそんな話をしてるのを聞いた」
「…、そう」
「ごめん。傍にいてやれなくて。守ってやれなくて」
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