3つの視線、1つの物語


「お父様…怪我は平気?」


平常心を取り戻した私はお父様の元に向かった
自室のベッドで上半身を起こして座っているお父様は元気がない


「あぁ…メルンか…すまない…ノアくんと一緒に帰って来るはずだったのに…」

「お父様が無事で良かったわ。私、お父様が居なくなるのも嫌だもの」


これは本当
お父様も大好きだもん


「メルン…おいで」


お父様が呼ぶのでベッドまで近づく
すると、お父様が頭を撫でてくれた


「正直に言おう…ノアくんが落ちた崖はかなりの高さだった…今、ライラと数人の兵がその崖に向かっているが…あまり期待はしない方がいいかもしれない」


お父様の言葉に一瞬息が出来なくなる
絶望の色が濃くなった


「ん…でも…ノアを待つわ」

「…そうか」


お父様はそれ以上何も言わなかった
だから、私も口を閉ざした