3つの視線、1つの物語


「一応、仕事で来たので…途中で投げ出すのはちょっと抵抗があるんです」

「でも…」


俺がボディガードを続ける事を決めると、姫様が渋った

どーやら、王子である俺に守られる事に良心的なものが痛いらしい

そんなの姫様が気にする必要ないのに
だって、ボディガードを続ける理由は他にもある


「それに…仕事も覚えたいですし。今後の為に」

「今後の為?」


そう、俺は今後の為にボディガードの仕事をしながら、この国の事を色々知りたいんだ


「俺、たぶん姫様に婿入りする事になるので」


姫様はこの国の後継
俺はエトアの第二王子

きっとエトア国は兄のエトが継ぐ
だから、俺が婿入するのが自然だと思う


「あ…そーなるの?私がお嫁に行くんじゃないんだ…」


お嫁に来て貰ってもいいけど
きっとそれだと王様が困ると思う

話の区切りがつくと王様が言った


「話は、まとまったか?…じゃ、ノアくん。引き続きメルンの護衛を頼んだよ」

「はい」


王様に返事をして、その隣の動かないコンフィーヌ様に向く


「ってことなんで…今後も引き続き顎で使って下さいね?コンフィーヌ様」


コンフィーヌ様に笑顔を向ける
まぁ、もう顎でなんて使えないと思うけどね

知らなかったとはいえ、他国の王子に凄い仕打ちしてた自分に絶句中のコンフィーヌ様

散々俺を虐めて、姫様を男性恐怖症にさせた仕返しです