3つの視線、1つの物語


手にした正装を眺める


「…着替えるか」


きっと、姫様は会場で震えてるんだろう
下手したら泣いてるかもしれない

会場に入る為の条件は揃った
行くしかないでしょ


「しかし…なんで知ってるんだろう」


俺の姫様に対する淡い気持ち
誰にも話してないのにな…

父様からエトを経由してまで届いた正装に腕を通しながら考える


"父様から聞いたんだけど…ココの姫様にノアが惚れたって本当?"


エトからの問い掛けも思い出す
否定出来なかった俺

この気持ちを認めたら、ボディガードの仕事に支障が出ると思って認知しないようにしてたのになぁ…

気付いていた
自覚もあったが、自分を誤魔化していた

でも、やっぱり…


「…好きなんだろうなぁ」