今しかない、この瞬間を

自分が「彼女」じゃないことくらい、わかってるけど、何だかショック。

泣きたくなるような変テコな気分だ。


このまま、ここにいたら、さらに嫌な気持ちを味わうことになってしまうかもしれない。

彼だって、これ以上、こんな言い争いを見られたくないはないだろう。


とりあえず、今日はこの場を去った方が良さそうだ。

誘ってもらったのに、残念だけど、仕方がない。


だって、彼に嫌われたくないし、まだ彼を嫌いになりたくない。

芽生えたばかりの恋心が、こんなことで消えてしまうのは寂し過ぎる。


「私には、ずっと、家の場所、教えてくれなかったのに。」

「.......。」

「その子は特別?」

「特別も何も、誰にも教えてないから。付き合ってもいない奴には。」

「じゃあ、やっぱり.......?」

「違うって。」

「どうして、私じゃダメなの? 私は遊ばれただけ?」

「最初から、そんな関係じゃないだろ。言わなかったっけ? 付き合う気はないって。」

「そんな.......。」

「なのに、ずるくない? 一方的にこういうことするの。」

「だって.......。」

「もういい? 帰って。」


いや、いや、ダメでしょ!?

今、帰っちゃダメだって!!

このまま放置しておいたら、この子、絶対、また来るってば。


人道的にも、どうかと思う。

ここまでするってことは、二人の間には、深い付き合いがあったんだよね。

詳しい事情は分からないけど、この子、あなたのこと、本気で好きなんだよ.......