今しかない、この瞬間を

昨日の彼は、とても優しかったし、温かかった。

だから、心強かったし、すごく安心した。

一生懸命、助けようとしている姿勢には、誠実さすら覚えた。


助け方に関しては、確かに、慣れ慣れしい点もあったかもしれない。

でも、あの場では、あれが正解だった気がするし、特にチャラいとか、軽いとかは、まったく感じなかった。


もしかして、それは私の中で乙女スイッチが入っちゃってたから?

助けてもらって、嬉しくて、王子様フィルターがかかった状態だったから?

そう言われれば、そうかもしれないけど、そういう人には見えなかったんだけどな.......


会って、自分の目で確かめてみるまでは、何とも言えないけど、ちょっと複雑。

とりあえず、第一印象を信じて、彼を待つしかないか。


ドキドキしながら、彼の出勤を待つ。

その間も、抱きしめられた感覚を思い出す度、キュンとしてしまう。

っていうことは、やっぱり恋してるんだよね.......

なんて、今さら心の中で再確認していたら、思ったよりも早い時間に、遠くの方から、楽しそうな声が聞こえて来た。


「あはははは.......。ねぇ、ほんとダメ?マジ?」

「うん、何かチャラ~い。」

「そうかなぁ。」

「似合ってはいるけどね。」

「でしょ? 」

「でもぉ、前の方が良かったぁ。」

「うっそ。」

「爽やかなお兄さんっぽかったもん。」

「おいおい、『ぽかった』って何だよ。それじゃ、ホントは爽やかじゃないみたいじゃん。俺、こんなに爽やかなのに。」

「あはははは.....。だって、そうじゃん。何か、爽やかぶってる遊び人に見える。」

「マジ?」

「マジ、マジ。」