今しかない、この瞬間を

「上山っていう奴で、俺の大学の時の部活の後輩なんだ。見た目はチャラい感じに見えるかもしれないけど、中身はイイ奴だから、仲良くしてやって。」

「はい。」


へぇ、そうなんだ。 ちょっとビックリ。

でも、ってことは、田澤さんもずっとサッカーやってたとか?

あぁ、何かいいなぁ.......

やっぱりイケメンにはサッカーが似合う。

ボールを追いかける姿とか、容易に想像できるもん。


「履歴書見たら、小坂さんちの住所と番地が違うだけだったから、かなり家は近いと思うんだよね。」

「えっ、そうなんですか?」

「うん。何かわかんないことあったら、聞くといいよ。今日も昼過ぎには来るから、よろしくね。」

「あ、はい。」


そうなんだ、そんなに近いんだ.......

やだ、どうしよう。ニヤけて来ちゃう。

どこ?どこ? 隣のアパートとか?

それだけでも、恋が芽生えちゃいそうな距離じゃない?


笑顔で田澤さんを見送りつつも、頭の中は妄想でいっぱいだ。

勝手に幸せ気分に浸っていたら、フロントを仕切っている加納さんが、意外な言葉を発した。


「チャラ男くん、確かにいい子だよ。子供たちにも、えらい好かれてるし。」

「チャラ男くん?」

「うん、女子社員の中では、そう呼ばれてる。」

「.....そう、なんですか?」

「ヘラヘラしてるけど、明るいし、やることはちゃんとやるし、元プロだから、サッカーも超上手いらしいよ。」

「えっ? ほんとに? すごい。」

「うん。ただね、活躍する前にケガして、すぐ引退しちゃったんだって。だから、田澤さんがここに誘ったっていう噂。」

「へぇ、そうなんだ.....。」