だけど、あいつにも好きな男がいるのはわかっている。
淵江コーチでも、森野コーチでもなければ、それはやっぱり田澤さんなのか?
この前、ボールを取りに行った時、駐車場で見たあいつは、妙にソワソワしていた。
珍しくデートみたいな恰好をして、何となく俺に見られたくないっていう雰囲気を出していて。
気になったから、どこに向かって歩いて行くのか見ていたら、一番奥に停めてある田澤さんの車の前であいつは立ち止まった。
そして、そのまま助手席に乗り込んだ。
それを見ていて、何となく嫌な気持ちになったのも、思い過ごしじゃなかったんだ。
俺は、もうとっくにあいつを好きになっていて、本当は誰と出かけるのか心配でたまらなかったんだ。
なのに、あの時、アホな俺はまだそれに気付いていなかった。
相手が田澤さんであることに複雑な気持ちになって、何故だか見なかったことにしようと思って、沸き起こった暗い感情を、無理矢理心の奥に封じ込めようとした。
だから、次の日、一緒に帰って、冷やし中華を食べに行った時も、その話題に自分からは触れられなかった。
何か言ってくれるかと思ったけど、結局、最後まで、あいつも何も言わなかったし。
ノロけられたところで、気の利いたコメントが返せるはずがないから、それで良かった気もするし、良くなかった気もする。
気になって、気になって仕方ないけど、何があったのか聞くのは、少し怖かったのもあったから。
でも、あいつがそれを望むなら応援してやらなくちゃいけないはずなのに、どこか本気でそう思えなかった。
どうしてなのか、その時はわからなかったけど、今、正体が、やっとわかった。
淵江コーチでも、森野コーチでもなければ、それはやっぱり田澤さんなのか?
この前、ボールを取りに行った時、駐車場で見たあいつは、妙にソワソワしていた。
珍しくデートみたいな恰好をして、何となく俺に見られたくないっていう雰囲気を出していて。
気になったから、どこに向かって歩いて行くのか見ていたら、一番奥に停めてある田澤さんの車の前であいつは立ち止まった。
そして、そのまま助手席に乗り込んだ。
それを見ていて、何となく嫌な気持ちになったのも、思い過ごしじゃなかったんだ。
俺は、もうとっくにあいつを好きになっていて、本当は誰と出かけるのか心配でたまらなかったんだ。
なのに、あの時、アホな俺はまだそれに気付いていなかった。
相手が田澤さんであることに複雑な気持ちになって、何故だか見なかったことにしようと思って、沸き起こった暗い感情を、無理矢理心の奥に封じ込めようとした。
だから、次の日、一緒に帰って、冷やし中華を食べに行った時も、その話題に自分からは触れられなかった。
何か言ってくれるかと思ったけど、結局、最後まで、あいつも何も言わなかったし。
ノロけられたところで、気の利いたコメントが返せるはずがないから、それで良かった気もするし、良くなかった気もする。
気になって、気になって仕方ないけど、何があったのか聞くのは、少し怖かったのもあったから。
でも、あいつがそれを望むなら応援してやらなくちゃいけないはずなのに、どこか本気でそう思えなかった。
どうしてなのか、その時はわからなかったけど、今、正体が、やっとわかった。

