今しかない、この瞬間を

うわ、それ聞いちゃう?

その質問、そっくりそのまま、あなたにお返ししたいんですけど。

自分のことは棚に置いておいて、よくぞ聞けたものだ。


「あぁ、それもありますね。男って、何だかんだ言って、年上のお姉さんに甘えたいみたいのあるじゃないすか。もちろん、それよりノリが合うとか、雰囲気が好きとかの方が重要だけど、実際、一緒にいて楽だし、何でも許してくれるみたいな安心感あるから、それは絶対否定できない。」

「そうなんだ? 初めて聞いた。」

「そうだよ。だから、俺は里菜と付き合えて幸せだなって、いつも思ってる。」

「や〜ん、ホントぉ? 嬉しい。偉いぞ、よしよし。」


里菜ちゃんがふざけて、毅くんの頭をめちゃくちゃに撫でて見せる。

酔いが回ってるせいなのか、真剣な顔で語っちゃってる毅くんがカワイイ。


まだ大学四年生の毅くんは里菜ちゃんが大好きで、そんな毅くんを四つ年上の里菜ちゃんはすご〜く可愛がっている。

このカップルは、いつもそんな感じで上手く行っている。

純粋に羨ましいし、本当にお似合いだ。


幸せそうでいいなぁ.......って思ったら、ちょっぴり彼に腹が立って来た。

自分だって年上のキレイなお母さんとデキちゃってるくせに、平気な顔して、よく聞けるよね。

急にトゲトゲした気持ちになって、少し意地悪したくなって来た。

いつも、そのせいで苦しめられてる私の身にもなってほしい。


「ねぇ、そういう自分はどうなの? やっぱり年上のお姉さんがいいの?」

「あ、俺? 」

「そう。」

「う〜ん、どうかな。年上もいいけど、別にどっちでもいい。」

「へっ? そうなの!?」

「なんで?意外?」

「いや、そうじゃないけど.......。」

「タイプとかもあんまり無い。その時、その時、好きになった人がタイプって感じ。」

「ふ〜ん.......。」