「……フンッあとで泣きついてきても知らないんだから!このタラシ男っ!」



ヒステリックな声がしたと思えば
強く扉を閉めたのかバンっと大きな音がした。



すごい女の人だな…

そんな人と櫻木先生付き合ってたんだ…


なんかショックだな。


それに…櫻木先生が色んな女の人と…


う、嘘だよね!
きっと!



そろそろ部屋に入ろ。


盗み聞きしてたのバレたら
ただじゃ済まな……



「盗み聞きなんて、良い趣味してるね」



突然、一枚壁を隔てた向こうからそんな低い声がした。



さ、櫻木先生!?


あたしは身を限界まで乗り出した。



「ちがっ、違います!盗み聞きなんかじゃなくて!たまたまです、たまたま洗濯物を取り入れてたら声がして耳をすませてただけです!!」



「それを世間で盗み聞きって言うんだよ」




櫻木先生は呆れたように言った。