「長瀬は……本当にそれでいいの?」 やりきれないような表情の長瀬を見ていると 勝手に口が開いていた。 「いいも何も、しょうがねぇーっていうか……ほら、あれだ、初恋は実らないってヤツ?」 長瀬は力なく笑った。 しょうがないなんて、思ってないくせに。 本当は…… 「もっと、早く……生まれてりゃな。まだまだ高校生のガキに、鈴香を幸せになんて出来ないんだ…」 本当は……好きで堪らないくせに。 空を見上げて切なげに笑う長瀬に、これ以上何も言わなかった。 何も………言えなかった。