ここは素直に先生の言うことを聞くのが正しいのだろう。
でも、あたしはもっと櫻木先生のこと知りたい。
もっと、話を聞きたい…です。
あたしはスッと櫻木先生の手を離し真野先生の元へ行く。
「真野先生も、櫻木先生も夜ご飯はまだですよね?せっかくなんであたし何か作ります!」
「おっ、結芽ちゃんいいねぇ〜いい奥さんになるよ〜」
振り返り櫻木先生を見ると、案の定不機嫌そう。
「余計なことしなくていい。早く帰りなさい」
先ほどはお隣さんの櫻木彰人だったのに、もうすっかり教師の櫻木先生に変わってる。
「櫻木先生だって、お腹空いてるんじゃないですか?あたし、こう見えても自炊得意ですからっ!すぐ終わります、キッチンおかりしますね」
櫻木先生はそれ以上、止めたり、帰れなんて言わなかった。
キッチンはピカピカで全く使ってないなって分かるほど。
失礼します…なんて小さく言って開けた冷蔵庫には食材という食材が殆どなかった。
先生、どうやって生活してるんですかね…
ただのお節介だと思ってたけど、さゆりさんが毎回のように料理を作って持ってくる理由が今になってわかる。

