「……櫻木先生が部屋に入れてくれない理由はそれだったんですね!」
引っ越しの準備のときも玄関すら入れてくれなかったし。
なるほど、なるほど。
「男の快楽ってもんだからね〜。あ、結芽ちゃんも鑑賞会する?多分、彰人のことだからそこのラックに…」
「はい!いいんですか!?ぜひっ!」
真野先生が指したラックに手を伸ばしたとき、グッとその手を掴まれた。
「何が、ぜひ、だぁ?そんなとこ漁っても何もねぇわ!真野も大概にしろ。捕まってもしらねぇぞ」
櫻木先生はあたしの手を強引に引っ張ると真野先生から見えないところに連れてくる。
「高梨はもう帰れ……俺が悪かった。安易に部屋に入れたりして」
「……あたしはそんな…っ」
櫻木先生が悪いわけじゃない。
あたしが先生に泣きついたせいだ。
やっぱり櫻木先生は性悪なんかじゃない。冷酷なんかじゃない。
あたしのこと気にして、話を聞いてくれた。
やっぱり、先生は…
「……真野も酔ってるし、ここにいたらさすがに危ねぇから。早く帰れ」
ほらね、優しいじゃん。

