「先生……あたし、好きな人が…いるんです。長瀬にも好きな人がいて、境遇が似ていることからあたしは長瀬に、気持ち分かるよ…なんて言って怒らせてしまいました」
櫻木先生は何も言わずあたしと間隔を開けソファーに座り一口、コーヒーを飲んだ。
「良かれと思って言ったんですけど、逆に怒らせてしまって……お前みたいな軽い気持ちで好きなやつと一緒にすんなって…」
「……」
「武田にも、軽い気持ちなら捨てなって…薄っぺらいって思われても仕方ないと思います。確かに、あたしは不純な動機で好きになりました。今でも、どうして好きなのか分からないです。だけど……気になるんです。側で見ていたいて思うんです……っ」
あたしは何、盛大に打ち明かしてんだろ……
きっと、しょーもねぇ…なんて呆れてるよね…
そう、俯いたとき、櫻木先生はコーヒーカップを丸テーブルに置いた。
「軽いだとか、薄っぺらいとか、そんなもん他の人にはわからないでしょ。結局は自分の気持ちがどうかってことなんじゃないの?」
櫻木、先生…?
「本当に薄っぺらい気持ちなら、こんな風に悩んだりしないでしょ?」
櫻木先生はフッと笑ってあたしを見据えた。
そうか、そうだよね。
薄っぺらい気持ちならとっくに捨ててる。
でも捨てることが出来ないのは、どうしても好きだから。
どうして好きとかどうでもいい!
理屈抜きで好きなんだよ!!

