「2年3組高梨結芽です。皆さん、いきなりですが聞いてほしいことがあります」
冷静に、落ち着いてあたしは口を開く。
「何だよ〜」「曲流してよっ!」なんて罵声じみた声が外から聞こえる。
だけどあたしはマイクをギュッと掴んで放送を止めることはない。
あたしは気合いを入れようと深呼吸をした。
「皆さんが思っている櫻木先生は本当の櫻木先生ではありません。本当はどこか冷めてます。性格も意地悪だし見た目とは裏腹全く爽やかじゃないです。けっして良い性格だとは言えません。笑顔だってどこか引きつってるし作り笑いです」
ドンドン────と喋っている合間に放送室のドアが叩かれる音がする。
「開けなさい、高梨!!」
迫力のある声で言うのはきっと生徒指導の先生だろう。
いつもなら怖くて足元も及ばないが、今はそれどころじゃないの。
「だけど、櫻木先生は意味もなく女子生徒を泣かしたりはしません。それなりの理由があったからです。先生は面倒なこと大嫌いだけど最後はやっぱり気にかけてくれるんです!本当は…優しい人なんです…」
泣きそうになるのを堪えてあたしは言葉を続ける。

