「お前、今失礼なこと考えてたろ」
そう、怪訝そうな表情をして迫ってくる長瀬。
「……い、いや?……あ〜オタケ〜!」
あたしはさりげなく武田正美のもとに走った。
新学期そうそう何だよ、といったような顔であたしを見据える。
「あ、そういやオタケよ聞いて喜べ。今年も同じクラスだよ!」
武田は はあ…とため息をつきそうな勢いで
それでもあたしを見てやれやれと笑った。
「よかったねあたしいなきゃ危ないもん結芽」
「ど、どういう意味さっ!」
「そういう意味だバカ!」
まあ、何がともあれ今年もオタケと同じクラスでよかったよ。
あたしたちはそのまま体育館に集まり始業式。
長い校長の話を聞き、謎に歌わされる校歌にみんな飽きれていたけども
どうやら女子たちだけはるんるんでいつもより化粧や身だしなみに気を使っているような感じに見えた。