殺戮都市~バベル~

「ところで大山田。お前、俺達に酒を振る舞って、一体どういうつもりだ?酔い潰れた所を狙おうなんて考えてるんじゃないだろうな?」


酒を一口、口に含んで飲み込んだ名鳥が、疑いの眼差しを向ける。


だけど、フッと鼻で笑った大山田は、タバコを取り出してその先端に火を点けた。


「そんな無粋な事をするわけないじゃない。あなた達は私の大事なお客様なんだから。いつかこういう日が来るかもって、お酒を買い集めておいて良かったわ。まあ、最初のお客に他軍の人間が混じってるとは思わなかったけど」


そう言って、グラスに入ったお茶を、俺の前に差し出した。


買い集めてたのか。


つまりこれは、大山田の私物で、それを提供してくれてるわけだな。


「ふん、なかなか男気があるじゃねぇか。ところで大山田、何か食いもんはないか?血がたりねぇんだけど」


傷は治りかけているけど、相変わらず血塗れの神谷が、大山田に尋ねた。


「もう!さっきから大山田大山田って、やめてちょうだい!私の名前はシェリー。これからはそう呼んでくれないかしら」


このシェリーが、大山田裕次郎だって知った時の衝撃はなかったよな。


そして改めての自己紹介。


全然シェリーっぽくないけど、俺は何も言わずに二人の反応を待った。