殺戮都市~バベル~

「何言ってるんですか、俺達は友達でしょ。遠慮なんてしないでくださいよ」


「フフッ。良いものだな……友達とは」


恵梨香さんが、俺を見て安心したように微笑んだ。


こんな笑顔はいつ以来だろう。


初めてヘルメットを脱いで、素顔を見せてくれた時以来かもしれない。


「とにかく、傷が治るまでゆっくりしてください。俺達はすぐそばにいますから」


「ありがとう、少年」


恵梨香さんが差し出した手を軽く握って、俺は名鳥達がいるカウンターに向かった。


「お姫様は眠ったかしら?プリティボーイもしっかり男の子してるじゃないの。何を飲む?麦茶?烏龍茶?ミルクもあるわよ」


名鳥と大山田は、もうすっかり馴染んでいるようで、大人の雰囲気を漂わせて酒を呑んでいた。


ついさっきまで、殺し合いをしていた人同士とは思えないな。


「あ、じゃあ……む、麦茶で」


「この街じゃなきゃ、プリティボーイが店に来てくれるなんてないものね。私ね、こういうお店を持つのが夢だったのよ」


オカマバーというやつか。


それにしても大山田が飲み物を作っているのは、かなりインパクトがあるな。


カウンターの向こう側の圧迫感が凄い。