殺戮都市~バベル~

安全な場所を確保する為に、俺達はこのビルから出た。


神谷も通常回復を行い、名鳥の肩に掴まりながら。


俺は、まだ動けそうにない恵梨香さんをおぶって歩いていた。


「でも、どこが安全なんてわからないよね。ルークが離れてくれたのは運が良かったとしてさ」


名鳥が言うように、俺達がビルの中に入って、しばらく外に出なかったからか、ルークはこの場から離れて北軍の街をさまよい歩いている。


これはナイトやポーンと同じで、建物の中に入れば、それ以上は追って来ないのだろう。


「今、ポーンなんかが来たら、俺達一網打尽ですね。本当にいなくて良かったと思います」


恵梨香さんも神谷も、ろくに動けないのは痛いな。


他軍の俺と名鳥じゃ、どこが安全でどこが危険かなんてわからないし、身動きも取れない。


「まあ、攻められるにしても、入口が少ない建物の方が良いよね。ドアを開けたらすぐ外に出られるようなさ」


と、なると……東軍で優と再会した、喫茶店みたいな場所か。


建物のイメージは出来たものの、そんな建物を見つけられるかは話が別だな。


周囲を見回しながら、誰もいない北軍の街を歩いていると……名鳥が、俺の前で立ち止まり、そこにある建物を眺めたのだ。