殺戮都市~バベル~

もしかしたら、通常回復でも治らないかもしれない……という心配をよそに、付けられた傷は徐々にではあるけど治り始める。


それに安心して、フウッと吐息を漏らした。


息があるから恵梨香さんはこれで大丈夫だろう。


それよりも、やっぱり強いルーク。


これから先、あいつと遭遇したら、逃げるしか方法がないのか?


恵梨香さんの傷が治って行くのを見ながら、どうやっても敗北のイメージしかない脳内の映像に、頭を悩ませていた。


「う……しょ、少年か。なんだ、何がどうなった。私は……やられたのか」


傷が癒え始めて、意識を取り戻したのか、恵梨香さんが息も絶え絶えに俺に尋ねる。


「あれは仕方がないですよ。恵梨香さんが死んでなくて良かったです。なんせ神谷の全力の攻撃で、肩のアーマーが少しへこんだくらいですから」


恵梨香さんのプライドを傷付けないようにと、どれだけ強かったかという事を伝えるけど……それでも納得はしていないようで。


「無様だな。私がもっと強ければ……こうはならなかったかもしれない」


誰がどうしたから、勝てなくても仕方がないというのは、恵梨香さんは考えないんだな。


自分の力が足りていたか、不足しているのか、ただそれだけなんだ。