殺戮都市~バベル~

「え、嘘でしょ?」


「嘘な物か。スティレットとは、本来鎧の繋ぎ目を狙って突く武器なんだ。この街では鎧などないからな。つまり肉体硬化の敵に、最大の効果を発揮する武器の一つ。おや?言っていなかったか?試しにスティレットで神谷の腹を突いてみると良い」


そんな話……全然聞いてないって!


そもそもが、その時にはまだ、香月にも神谷にも出会ってなかったし、肉体硬化なんて知らなかった。


「お、おいおい……物騒な事を言うんじゃねえよ。坊主はそんな武器まで持ってんのか?頼むから本気でやるなよ?」


慌てて神谷が首を横に振るけど……俺にはそれが出来ない。


「えっと……そんな特性があるなんて知らなかったから、日本刀を強化するのに使っちゃいました。素材として……」


そうだと知っていれば、ずっと持っていたのに。


あ、いや……それだったら沼沢に勝てなかったかもしれないな。


状況が状況だけに、あの時の強化は仕方がなかったと思うしかない。


「ふぅ、助かったぜ」


変な実験をされては困ると思っていたのだろう。


神谷が安堵の吐息を漏らした。


「ちょいと皆さん?少しばかりやばい事になってるんだけど……気付いてるかな?」


そんな中、名鳥が半笑いで俺達に尋ねたのだ。