殺戮都市~バベル~

お世辞にも、深手とは言い難い切り傷。


その程度で神谷をあそこまで傷付ける事が出来るなら、俺の日本刀だったら、真っ二つにする事も可能なはずなのに。


わけがわからないぞ。


考えていても、北軍の攻撃が止まるわけじゃない。


仲間が殺されても、物怖じせずに襲い掛かって来る人達は、他の軍の人間と違って異様な雰囲気を感じる。


命じられたままに動く人形のように、殺される事を何とも思っていないかのように迫って来るのだ。


その光景には、若干の恐怖すら感じてしまう。


「お前ら……そんなに死にたいかよ!!」


人としての意思を感じられない集団、そして、どこから襲って来るかわからない桜良に対する恐怖を振り払うかのように、俺はひたすら日本刀を振るい続けた。


一切考える事はしなかった。


俺に近付くやつを、とにかく斬り捨てて……。


「ああっ!くそっ!お前ら、アレをやるからな!」


我に返ったのは、神谷のその声で。


俺達を取り囲んでいた人達が半分ほど死んだ時、神谷が例のアレをする為に、ウォーハンマーを振り被って飛び上がったのだ。


「わ、わわっ!」


慌てて上方に飛び上がった俺と入れ違いになる形で、振り下ろされたウォーハンマーが、地面に叩き付けられた。