殺戮都市~バベル~

目隠しをされて、さっきの男と同じように、有刺鉄線で身体を巻かれている。


あの服、顔立ち……俺が捕まえたやつに間違いはない。


「21000!」


「21100!」


「21500!」


さっきとは違い、さらに多い人数が口々に声を上げる。


『ヘイヘイ、テメェら!早くも刻んでんじゃねぇよ!まあ、5万の賞金首だ、安く買いたい気持ちはわかるけどよ!おっと、そこのマッチョが3万だ!他はいるか!?』


俺の気持ちとは裏腹に、会場は白熱して行く。


こんな事になるとわかっていたら、俺はどうしていただろう。


見逃していたら……あの人は助かったかもしれない。


だけど、その代わりに、追い掛けていた人達の怒りを買っていたかもしれない。


そう考えると、どっちが正しい事だったのかは……わからない。


結果的にこのオークションに手を貸した事になったわけだけど、俺は俺がやれる事をしただけ。


自分の行動は間違っていなかったと、そう言い聞かせるしかなかった。


『他にはいないかーっ!?よし、決定!!大逆転でそこのハゲ!40000円で落札だ!ステージに上がりな!』


殺す為に人が買われる……この酷いパフォーマンスに、俺はとても他の人のように盛り上がれなかった。